内容説明
若き男女六人の宇宙戦争!?(『いつか猫になる日まで』)。緑の大地に奏でられる恋と生の調べ(『グリーン・レクイエム』『緑幻想』)。作家生活四十年を迎えてなお精力的活動を続ける新井素子の初期傑作群が装いを新たにして甦る!
著者等紹介
新井素子[アライモトコ]
1960年東京都生まれ。立教大学文学部ドイツ文学科卒業。都立高校二年在学中の77年、「あたしの中の…」が、星新一氏の絶賛を浴び、第一回奇想天外SF新人賞佳作に入選、作家デビュー。その新鮮な文体は当時の文芸界に衝撃を与え、後進の作家たちに多大な影響を与えた。81年「グリーン・レクイエム」、82年「ネプチューン」で二年連続の星雲賞日本短編部門を受賞。99年『チグリスとユーフラテス』で日本SF大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Norico
22
星へ行く船シリーズ読んだら懐かしくなってしまい、新井素子さん再読。色んな宇宙人でてきて面白い。いつか猫に…の誠は、太一郎さんの系譜で、更に若く青くした感じでかわいい。何しろ一番すごいのは、あとがきが全部収録されていること。とにかくすごい量でビックリ。2021/10/10
CCC
7
新井素子初期の中長編3作(うち2作はシリーズ)とあとがき10個くらいが入ったボリューミーな一冊。『グリーン・レクイエム』はオチが好みだった。それもあって『緑幻想』はある種蛇足にも感じた。ただ別段付け足しということはなく、着想的にはむしろこちらが先のよう。シリーズとしてはヴィーガンの論理を植物に転用しているような発想が目を引いた。植物の論理が人間に都合がいいような気がしたが、そうしなければ解決不能な問題が浮かび上がってきて別の話になりそうなので、そこはやむを得ないか。2023/02/11
漢方売り
6
「絶対猫から動かない」を読んだら再読したくなりました。数十年振りの再読な割に、結構覚えている自分の記憶力にびっくり。最近は忘却能力の方が優れているが、昔の記憶って最近のことより、鮮明に覚えているって不思議だなぁ。再読して、やっぱり「絶対」より「いつか」の方が好きだと実感。文章が若く未熟である点が、また良かったりしました。初期作品、また読み直したいです。星へ行く船シリーズは新版時に読み直したけど、二分割とか節句とか、何年読んでないんだろう。2020/08/23
空飛び猫
6
異星人と人類と 違いが産み出すもの2020/08/09
やすお
5
「いつか猫になる日まで」は単純に面白い。地球の危機を救う戦士たち?のお話。現代風に言えばアベンジャーズなのだろうか。読み心地はゆるりとやわらかな感じで、優しさを感じる。「グリーン・レクイエム 」と「緑幻想」は既読だけど、続けて一気に読むと、背景にある環境破壊や生命についてよく考えられていて、とても壮大な物語のように思えた。なお、本書にはこの三作品のあとがきがすべて収録されている。本書のあとがき(ややこしい)で著者も触れているが、あとがきをまとめたことによる資料的価値がある。作品が生まれた経緯がよく分かる。2025/05/31




